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おおいた のりもの雑報 / 大分〜福岡の移動に第3勢力が現る。

おおいた のりもの雑報 / 大分〜福岡の移動に第3勢力が現る。

2022年7月25日

ここから乗車記録をお送りいたします。

すもが、遅刻しそうになる。

おはようございます。7月15日の朝です。

この日は、「博多祇園山笠」の最終日で「追い山」が朝5時からあったため、ついつい気になってテレビ中継を見てました。
そうしていたら、始発電車に余裕を持って乗るつもりで準備をしていたのですが、ギリギリになってしまいました。

そんなことはどうでもいいとして、始発の「日清観光 大分営業所」の最寄駅である西大分駅に着きました。

駅前の国道を沿って歩いて5分。
見えてきました。到着しました。大分営業所!

ずらっと貸切用と高速バス用のバスが並んでいました。

初めての第1便に乗車

運行開始初日ということで、マスコミ数社が取材に来ていました。
(写真は省略)

運行開始初日ということで、記念品をいただきました。
中身は2022年の日清観光カレンダーと日清観光の塗装が描かれているトミカでした。(決して在庫処分と思ってはいけません)

きっぷは事前にインターネットで予約し、クレジットカードで決済しました。
(2枚切符で購入。バス車内で受け取りにすると、1枚目は乗車時に回収され、表紙と2枚目を渡される。)

黒塗りしているのは座席番号と予約番号です

一番乗りだったので、車内の様子を撮ってみました。

車両は中型車で、年季が入っています。
しかし、最新のバスはカスタムしない限り「ケツの肉を取っていきそうな座席」が多いので、こういう車の方が助かります。

設備は、座席以外は特に変わったものはありません。
停車ボタンや日本語・英語・韓国語・中国語の四ヶ国語のワンマン放送がついていましたが、残念ながらWi-Fiや充電コンセントはありませんでした。

停車ボタンはレシップ社の最新無線型を採用。

この便には(自分を含めて)7人ほど乗っていましたが、半分は関係者、もう半分はバスマニアで、一般層と思われる人は1人だけ。まだまだ周知が広まっていないように感じました。

さて、バスは定刻通りに大分営業所を出発。
途中、大分駅前バスのりばで1名を乗せて大分ICへ

大分バス やまびこ号が出た同時に到着

バスは大分ICから東九州道に入りました。

本線へ合流

この第1便はそのまま高速道路へ入りますが、それ以外は大分駅前を出た後、国道10号線を通って別府市内へ行き、別府警察署前・日清観光 鉄輪車庫に停まって別府ICから高速道路に入るようです。

別府IC通過中

別府湾サービスエリア付近から雲海のようなものを見つつ、うとうとしてたら寝てしまいました。

一旦ここで休憩

気づけば、山田サービスエリアの手前まで来ていました。

このバスは全便にトイレがついていません。そのため、山田サービスエリアにて必ず休憩を取ります。

「山田サービスエリアでは8分間、休憩いたします。」という放送が流れ、到着しました。(「なんか中途半端な時間だな」と思いましたが、おそらく人数確認をする時間などを考えた結果なんだと思います。はい。)

山田サービスエリアでは、ほとんどの人が降りて、トイレやタバコ、自販機で飲料を購入していました。

なぜかこれだけしか撮ってなかった
車両後面に自社広告

バスは福岡市内へ

バスは山田サービスエリアを出発。ここからはざっとタイムライン形式で見てみましょう。

鳥栖JCT通過 九州道へ

太宰府IC通過 都市高速へ

半道橋ランプで一般道へ

これは別府発のとよのくに号と同じです。

福岡空港国際線ターミナル到着

停留所は1階バスのりばの4番バス停にあります。とよのくに号と違って乗降は同じのりばで行っているようです。(が、それはコロナがはやる前の話で今はとよのくにも1階に到着することがあるらしい)

福岡空港国内線ターミナル到着

国道3号線と県道551号線を進み到着。
こちらは乗降バス停が別で、1番のりばに停車しました。

県道551号で滑走路の先を横切る
きれいになった国内線ターミナル
福岡空港といえばクソデカ広告

「HEARTバスステーション博多」に到着

県道551号線と国道3号線などを通り、ヨドバシカメラの横を通って到着。

めっちゃおしゃれなのりば

HEARTバスステーション博多に到着しました。
今まで西鉄天神高速バスターミナルからしか乗らなかったので、初めて来ましたが、「まぁおしゃれ。」
ここから格安の夜行バスが出てるとは感じさせない造りでした。

2階には大浴場やカフェがあり、設備面では博多バスターミナルよりいいかもしれません。

指令室みたいな部屋がついているロビー
日清号は1番のりばから
1番のりばから出る唯一の昼行の都市間輸送便のため、上3行を占める形に…

帰りは大型車で

さて、時刻は18:10です。
福岡を満喫しましたので第6便に乗って帰ります。

車両は大型車でした。
車はライバルの「とよのくに」でも見かけるようなタイプのものでした。華やかな座席シートが特徴ですが、当然トイレはありません。

6便は大型車が来ました

本当は大分駅前まで乗るつもりで予約をしていたのですが、大雨が降りそうだったので急遽「別府市公会堂先」までに変更。福岡を出ればあとは降車だけというのもあって快く変更に対応していただきました。(その件はありがとうございました。)

ここからの様子もタイムライン形式で見てみましょう

HEARTバスステーション博多を10分遅れで発車

これは、発車間際に「1名遅れます」とHEARTのスタッフから連絡があったようで、そのお客さまを待ったため。

福岡空港国内線・国際線ターミナルに停車

乗車、0名。

半道橋料金所から都市高速へ

国際線ターミナルに停車する「とよのくに号」と同じルートですね。

太宰府ICで九州道へ

鳥栖JCTで大分道、日出JCTで東九州道へ

日出JCTは直進で旧大分道・現東九州道に入ります。
(ネタ切れで暇という声がありそうなので…)ご存じない方もいるかもしれませんが、実は日出JCT〜大分米良IC間は数年前に東九州道になりました。その証拠にナンバリングは東九州道の[E10]となっています。もう日出JCTから下は大分道ではないんです。あの区間を今だに大分道という感覚で通ってますが、東九州道になっているんです。はい… どうでもよかったかな?

別府ICで降りた後、九州横断道路を降る

「日清観光 鉄輪車庫」に到着

鉄輪車庫は大分銀行鉄輪支店の横にあります。
鉄輪温泉に近いのは近いのですが、ちょっと別府市民以外には分かりにくいかも。
ちなみに、「鉄輪」は「かんなわ」と読みます。「てつりん」ではありません。

市役所通りと富士見通りを下り、富士見通り7丁目から南へ

日清観光鉄輪車庫から別府公園北交差点までのルートは亀の井バスの5番系統などと同じ。

「別府市公会堂先」に到着

降りる時に雨が降っていたのとスマホの電池残量が少なくなっていた為、ちゃんとした記録は取れていませんが、HEARTバスステーション博多を出た時の10分遅れは着く頃には解消されてた気がします。

このあと私は雨が降る中自宅へ帰りました。
傘を持ってくるのを忘れてしまったのでびしょ濡れになりました。

感想を言うと…

感想ですが、メリットとデメリットで言いますとこんな感じです。

[メリット1]とにかく安い

一番のメリットは片道2,800円、最安値でも1,750円という破格の安さである。

これはJRはもちろん、一般の高速バスよりも安いのです。

色々と設備面では劣るところがありますが、いざ乗ってみると普通の高速バスとあまり変わりませんので、時間さえ気にしなければこれでもいいかなと思いました。

[メリット2]大分駅周辺の乗り場が分かりやすい

大分駅高速バスのりば(要町)に停車するので、大分駅周辺ののりばとしては分かりやすくなっています。

しかし、それ以外のバス停は別です。

[メリット3]福岡空港「国内線」まで行く

従来の高速バスでは福岡空港の停留所は国際線のみで、国内線を利用するためには一度3階から1階に降りて連絡バスに乗る必要がありました。
しかし、日清号は国際線と国内線の両方に停車するため「痒い所に手が届く」ルートとなっています。

[メリット4]福岡側の終点が「HEARTバスステーション博多」

この手のバスは西鉄バスの圧力のせいか「博多バスターミナル」には入れないため、昔は博多駅筑紫口周辺の路上にあるバス停から乗ることがありましたが、数年前に「HEARTバスステーション博多」というちゃんとしたバスのりばができたおかげで、おしゃれできれいなターミナルから乗車できます。

さらに、ここは格安夜行バスも利用しているため、サウナ(男性only)や大浴場などのリラクゼーション設備があり、設備面では「博多バスターミナル」よりもいいのです。

[デメリット1]トイレなどの設備がないので途中休憩あり

先ほど触れたように日清観光が所有する車両にはトイレがありません。
このため、山田サービスエリアにて8分休憩をします。(利用状況によっては乗客が戻り次第、発車。)

しかし、山田サービスエリアには、売店があるため九州土産を買った上で福岡空港から他地域へ帰ることもできます。
また、山田サービスエリアのバス用駐車スペースの近くには喫煙コーナーがあります。これは喫煙者である自分にはメリットでした。(が、当日タバコを忘れました。)

[デメリット2]大分駅以外の停留所が分かりにくい

一般の高速バスとは違い、市街地は市街地でも混雑する場所を避けていたり、自社関連の施設にバス停を設置しています。そのため、地域住民以外にとってはわかりにくい場所となっています。

しかし、これも安さによる代償であるため、致し方ないところであります。

[デメリット3]Wi-fiや充電機器などのモバイル向けの車両設備がない

これは、デメリット1と同じ理由ではありますが、貸切バスの車両を高速バス用に改造しただけなので、Wi-Fiやコンセントはありません。

メインは貸切バスを運行している会社が故に、高速バスの運行開始で全車両にWi-Fiをつけたり、充電機器を設置するのはそう簡単ではありません。ある程度の需要があれば付くかもしれませんが、初日の様子を見る限りだと遠い未来の話になりそうです。

もし、車内で暇つぶしをする際は、スマートフォンやタブレット、本を持ち込み、必要であればモバイルバッテリーやポケットWi-Fiなどがあったほうがいいと思われます。自分もモバイルバッテリーを持って乗りました。

[デメリット4]とにかく時間がかかる

大分市内で停まり、別大国道を通って、別府市内に停まり、トイレがないため山田SAで休憩し、福岡空港は国内・国際線どちらとも停まるため、当然時間がかかります。

最速の大分発1便でも3時間8分。その他の便では3時間30分である。

「のんびり行きたい」「とにかく安く行きたい」という人にはいいかもしれないが、そうではない人にとっては微妙かもしれないですね。

最後に

いままで、大分から福岡への移動手段はJRまたは西鉄系の高速バスだけでした。
そんな中、第3勢力ができることはマンネリ化していた大分の交通事情を見ても非常にうれしく思います。

この事業がどうかはわかりませんが、長続きすることを祈ると同時に、大分の交通の歴史の1ページとして見守っていきたいと思います。

リンク

日清観光ウェブサイト